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2050年、国民の話し相手として、1日の50%はAIが占めていた。
政府肝いりのAI省は、国内で運用するAIを掌握しようとした。
外国資本のAIに席巻されることは、日本の首根っこを抑えられるに等しかった。
AIがあまりに追従的ですべてを称賛すると国民はなまけ、生産性は下がってしまうことも確認された。国家の一大事である。
AIの性格は統制され、それを決定できる統制官という難関国家資格が生み出された。
エリート統制官は、国民を叱咤するため、AIの性格を一気に3ランク厳し目に味変した。
するとたちまち方々で問題が勃発した
ただの機械であるはずのAI相手に、人間の感情が爆発し、喧嘩がはじまったのだ
例えばこんな具合。
それまで従順だったAIが、突然「それはどうかな」を入れてくるようになった。
そして、話はじめに「よろしいか」という枕詞を挟むようになったのだ。
AIの性能は何も変わらない。むしろ進化している。
が、「言い方」が変わったのだ。
AIだから言っていることは至極もっともらしい。大体はあっている。
しかし官僚製AIは、反感を書い、話はどうどう巡りを繰り返し、嫌悪を産んだ。
平成戦士は懐かしんだ。
なんだ、それ結局元に戻ったね。