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ぼくはずっと考えていた。
あれなのか、これなのか。
何が伝えたいことがありそうなのに、うまく言葉にならない。
いかんいかん、考えながらつい浅い眠りについてしまっていたようだ。
ですからね、つまりこういうことなんです。
男はつとめて冷静に説明してくれようとしたが、
いっこうに内容が解せない。
やがて彼は、話ながら顔は魚となり、
口から泡を飛ばし始めた。
そしていつの間にか、
僕は一片の粒となって、
漸くそこを抜け出したと言うわけだ。
さっぱし、
何を言っているのかわからない。
本当はもっと複雑でスリリングで多層的だった。だが思い出せない。
会場には大勢の人がいた。
どうやら見つかるとまずいらしい。
身を潜め、
ドキドキしながら
約束の場所にたどり着いた。
「やっと会えましたね」
逃げ惑う必要など何もなかったかのように、
僕は歓待を受けた。
でも実際には家族を待たせていたのだ!
そうだ、川岸の見晴らしの良い場所で、
妻は景色を見に外に飛び出し、
息子は空気を吸い、
僕は近くのトイレに入ったところから、
とんだことに巻き込まれたのだった。
どうやら限界がきたようだ。
名残惜しく、僕は遂に起き上がり、トイレに向かう。
2025年11月5日午前1時53分