電話相手:蛙声小片集-
ショートショート・掌編・フラッシュストーリー・エッセイ

蛙声ASEI小片集

カテゴリ:03由

電話相手

更新日:2025.12.02

文字数:624字

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ツーー。

電話が突然切れてしまった。

間違って切ったのか?まあ、よくある話ではある。

電話番号は伝えていなかったので、すぐさまこちらから掛け直した。

「もしもし」

「何?」

「どうされましたか?」

「はあ??」

「はあって!すぐに切るなんて失礼じゃないですか!」

「なんだよ。」

「こちらはまだ話が終わってないんですよ?」

「そうなの?」

「あなたが逆の立場ならどう思われますか?」

「知らねーよ。」

「少なくとも話の途中でいきなり切るというのは、普通ありえませんよね?」

極力冷静に対応しなければ。

こんなところで本気で怒ってはこちらが損だ。支払っていただけるものも、いただけなくなる。

アンガーマネージメントの研修も受けた。

「ではちょっと本題のほうですが、良いでしょうか。」

ツーーー。。

どうやら間違いではなく、わざと切っているのが見え見えだ。

よくある手口だ。

これでなんとか、逃げ切ろうと思っているのだろう。

だがこっちも暇ではない。まだまだリストはたくさん残っている。

今日中になんとか10人から振込んでもらうようにしないと、上司からも責められる。

「お客様の様子を見て、臨機応変に対応しろ!」

上司の口癖だ。

仕方ない。NTTはやめて、今度は警察ということにしてみるか。

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